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小論文のツボ22 「説得力」とは、「判断」と「根拠」の結びつきの強さである。

投稿日:2013年12月12日 更新日:

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「説得力がある」「説得力がない」よく使う表現ですが、この差はなんでしょう?

それは、下した「判断」と、その判断がなぜ正しいかを証明する「根拠」との結びつきの強さの違いです。

例を挙げましょう。

(判断)
「村上春樹はノーベル文学賞にふさわしい」

(根拠A)
「なぜなら、私も読んで感動したし、周りの友達もたくさん読んでいたからだ」

あまり、説得力はありませんね。

では、こちらはどうでしょう?

(判断)
「村上春樹はノーベル文学賞にふさわしい」

(根拠B)
「なぜなら、世界40カ国で翻訳され、日本文学に特に興味のない人にも読まれているからだ」

判断が妥当かどうかは別として、あきらかにこちらの方が「説得力」があります。

違いは、(根拠A)が個人的な体験をもとにした主観的な根拠しか挙げていないのに対して、(根拠B)は読者も検証可能な客観的な事実を根拠として挙げていることです。

やはり「根拠」として強いのは、だれもがその正誤を確認できる「客観的な事実」なのです。

また、「ノーベル文学賞」という世界レベルのテーマに対して、「世界40カ国で翻訳されている」という(根拠B)が挙げた事実は釣り合いが取れています。

しかし、「私も読んで感動したし、周りの友達もたくさん読んでいた」という(根拠A)の挙げた事実はあまりにも小さすぎて不釣り合いです。

このように、「判断」と「根拠」がしっかり結びついていると感じられる時に、人はあなたの「論」に「説得力」を感じるのです。

自分の文章に「説得力」を持たせたいなら、自分の「判断」とその「根拠」との結びつきに注意を払いましょう。そして、「客観的事実が挙げられているか?」「判断を支えるのに適切な『大きさ』を備えているか?」の2点を確認して下さい。


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石井秀明

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