もやもや表現の添削屋、石井秀明のブログです。

添削屋日乗

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マニュアルの文章はどうあるべきか? ~あるいは夫婦円満に家事を分担する方法~

投稿日:2015年1月29日 更新日:

※このブログは約3200文字。読み終えるのに5~6分かかります。

家事分担は永遠の課題

夫婦共働きの家庭にとって、家事の分担は「永遠の課題」、というか「永遠のケンカの素」ではないでしょうか?

たとえばちょっと古いデータですが、「互いに扶養に入らない共働き世帯」の妻に聞くと、夫との育児分担の理想は『夫43:妻57』。しかし、現実は『夫27:妻73』と大きくかけ離れている」という結果が報告されていて、なおかつ、たいがい妻の方が夫の家事のやり方に不満を持っているという(笑)。

かくいう石井家も、

妻「なんでそんな風に洗濯物を干すの!?」
夫「え? きれいに干してあるじゃない?」
妻「そんなにくっついて掛けたらなかなか乾かないでしょう?」
夫「そんなこと言われても知らないよ~」
妻「考えれば分かることじゃん!」

とまあ、こんな感じで、日々、言い争っております(汗)

解決策の基本は「仕事」と割り切ること

この問題に対する解決策としてよく指摘されるのは、「家事」を普通の「仕事」と同じように考えようというもので、私も基本的にはその考え方に賛成です。

家事を主婦が家族のために行う一種の「奉仕活動」のように考え、必要以上に持ち上げたり、卑下したりするのではなく、ニュートラルに「仕事」と割り切り、作業を割り振ってビジネスライクに「処理」していく方が、ずっと家族という組織の「風通しが良く」なり、不必要な摩擦がなくなると思うのです。

ただ、いろいろな記事を見ていてちょっと不安になったのは、「仕事分担」と称して「食事の準備は妻、後片付けは夫」「ゴミ出しは夫、保育園のお迎えは妻」といった具合に、「人と仕事が結びついている」ことです。それでもって、「どっちの仕事が多い、少ない」「どっちが得だ、損だ」と争っている。

こうやって人と仕事が結びついていると、たとえば突発的な事案が発生したときに、とたんに家庭が回らなくなってしまいます。

また、夫と妻、どちらかがどんなに多忙になっても「領空侵犯」を恐れて、(なおかつその結果としてその仕事が自分の側に固定化されるのを恐れて)、相手の仕事に手を出しにくくなってしまう。

結果的に新たな「ケンカの素」になってしまうわけです。

マニュアルを作って家事を人から切り離そう

では、どうしたらよいか?

私が提案したいのは、「マニュアルを作って仕事と人を切り離すこと」です。

「マク●●ナルド」にせよ「吉●家」にせよ、チェーン系の飲食店には分厚いマニュアルが整備されているもの。

これは、「短期間に」「誰でも」「ある一定レベルの仕事」ができるようにするためのモノです。

つまり、これと同じように家事にもすべてマニュアルを作成し、夫と妻どちらでも同じレベルで仕事ができるようにすれば、だいぶ夫婦間のケンカも減るのではないか、というのが私の考えです。

共働きが前提となる今後の社会では、育児も含めた家事全般が「総力戦」となります。「これは妻の仕事。これは夫の仕事」と言っていられる状況ではなくなり、

「状況に合わせて、やれる方がやる。」

というスタンスが、今後の家事マネージメントにおけるスタンダードとなるでしょう。

このような状況下でこそ、マニュアルがその力を発揮するはずです。なぜなら仕事を標準化して、明文化しておくことで、「短期間に」「誰でも」「ある一定レベルの仕事」ができるようになるからです。

マニュアル作りのススメ

では、そのような「家事マニュアル」をどのように作るか?

これはどんなマニュアルでも共通ですが、以下の3つのステップを踏むことになります。

  1. やっている仕事を棚卸しして「分解」する。
  2. 読んだ人がそれに従って動けるように文章化する
  3. 結果をフィードバックしてブラッシュアップする。

まず、主にその仕事を担当している人が、自分の仕事を棚卸しして、一連の仕事を一つひとつの作業に「分解」します。「洗濯物干し」であれば、「①物干し竿を拭く②大きめのシーツやタオル類を干す。③Tシャツ類をハンガーに掛けて干す・・・」といった具合にです。

つぎに、分解した仕事を、読んだ人がそれに従って行動できるように文章化します。(でもって、この部分のコツについては、次の節で詳しく説明します)

そして、マニュアルの原型ができたら、それを使って実際に家事を行い、うまく行かない部分があればマニュアルの表現を修正して、完成度を高めていきます。「PDCAサイクル」を回して、品質を改善していくわけですね(笑)

こうやって「●●家、家事マニュアル」が完成すれば、その時の状況に合わせて、妻でも夫でも同じレベルの仕事ができるようになるはずです。

また子どもが大きくなってくれば、子どももそれを読んでお手伝いをしてくれるかもしれません。

マニュアルの文章はどうあるべきか?

しかし、このマニュアル作りの過程で、一番面倒くさいのが2番目の「文章化」でしょう。つい、「見て覚えて!」とOJTに走りたくなりますが(笑)、それではマニュアルの意味がありません。ここはぐっと堪えて、以下のポイントを参考に文章化してみてください。

マニュアルを文章化する際のポイントは、以下の3つです。

  1. 時間軸に沿って
  2. 「1指示1アクション」で
  3. 客観的に、数字を使って

まず、当然のことながら、マニュアルの文章は時間軸に沿っていなければなりません。

「洗濯機に洗濯物を入れる。その前にポケットの中をチェックすることを忘れないように」と時間をさかのぼるような文章を書いてしまうと、あとでティッシュペーパーのクズを必死に洗濯物からはがす羽目になります。

また、基本的にマニュアルの文章は、「1指示1アクション」としましょう。

「リビングの掃除は、はたき掛けと、から拭きと、掃除機がけ」ではなく、「リビングの掃除はまず、はたきをかける。つぎに調度を雑巾でから拭きする。最後に床に掃除機をかける」としないと、掃除機を掛けた床の上に、はたきがけしたホコリが舞い降りるかもしれません。

最後に、マニュアルの文章は客観的でなければなりません。

なるべく数字を活用して、「やったか、やらなかったか」が誰でも判断できるようにしましょう。

たとえば、「水がきれいになるまで米を研ぐ」ではなく、「手首が隠れるくらいまで水を入れ、20回米を研いだら、水を釜の半分まで入れてすすいで捨てる。それを8回繰り返す」とします。

これらのポイントを守って文章化すれば、「分かりやすく」「だれでも同じレベルの仕事ができる」マニュアルを作ることができるでしょう。ぜひ、挑戦してみてください。

相手のことを考えるのが一番大事。

・・・・と、ここまで読んできて、「んな面倒なことをしなくても、動画で撮って見せればいいじゃん!」と思った方もいらっしゃるでしょう。

はい、その通りです(笑)

それが一番手っ取り早い方法かもしれません。またそうした方が効果的な場合もあるでしょう。

でも、それでも最初は、文章によるマニュアル作りに挑戦した方がよい、と私自身は思っています。

なぜならその過程で、マニュアルを読む相手(夫、妻、子ども)のことを考えざるを得なくなるからです。

自分の仕事を棚卸ししようとすれば、自分が家庭にどれだけ貢献しているのかが分かります。

妻(あるいは夫)に負担が多くかかっていると分かれば、相手に対する感謝の気持ちが自然と湧いてくるでしょう。

また、家事にうとい夫(あるいは妻)に読ませるのであれば、マニュアルは非常に細かいものにならざるを得ません。

必然的に妻(あるいは夫)は、「自分に、もしものことがあったら?」と思うことでしょう。

そして、「●●家 家事マニュアル」は、その家のライフスタイルを「見える化」したものになるはずです。

まさに「家風」を実体化したそれは、将来、子どもが大きくなった時に、自分が育った家庭を振り返る貴重な財産になるはずです。

たしかに、七面倒くさい作業かもしれません。でも、やる価値はあるのではないかと、私自身は思ってます。

今度の休みにでも、このことについて夫(あるいは妻)と相談してみては、いかがでしょう?

(了)


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