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小論文のツボ41 同じ概念は同じ語で表し続ける。

投稿日:2013年12月27日 更新日:

「分かりやすい文章のための7ヵ条」第5条は、

同じ概念は同じ語で表し続ける。

です。

「概念」というとちょっと難しく聞こえますが、平たく言いえば、「あるモノやコトについてみんなが共通して持っている考え」のことです。

たとえば、「犬」の概念とは、「四本足で毛むくじゃらで、ワンワンと吠え、人なつっこい動物」といったものになるでしょう。

そして厳密に言うと、言葉が変わればそれらがいかに似ていようと、それが指し示す概念は微妙に変わってしまうものです。

たとえば、「顧客」と「お客」はよく似た言葉ですが、初めて来た人のことを「顧客さま」とは言いません。逆に「顧客情報」という言葉はありますが、「お客情報」は一般的ではありません。

これは、やって来た「お客」が商品やサービスを購入することで初めて「顧客」となるからです。

このように似ている言葉でも厳密に使い方を検討すると微妙に意味が異なるのです。

ですから、同じ文章の中で同じ概念を指し示しているにも関わらず、それを別な言葉で表現されると、とたんに分かりづらくなってしまいます。

例を挙げましょう。

<悪い例>
今後、優良顧客の囲い込みは、一層熾烈となるだろう。だからこそ、いかに多様化し高度化したお客様ニーズに対応できるかという、グループ全体の「カスタマー対応力」がさらに問われるのである。

ここでは同じ概念を、「顧客」「お客様」「カスタマー」と3つの言葉で表してしまっています。

では、これを「顧客」で統一してみましょう。

<書き直し例>
今後、優良顧客の囲い込みは、一層熾烈となるだろう。だからこそ、いかに多様化し高度化した顧客ニーズに対応できるかという、グループ全体の「顧客対応力」がさらに問われるのである。

「顧客」という言葉で統一することで、働きかけの対象が明確になりました。

相手に分かりやすく伝えるためにも、同じ概念は同じ言葉で表し続けましょう。


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