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あなたが昇進・昇格試験に受からない理由。小論文だけじゃない! 要チェックポイントはこれだ。

投稿日:2018年3月15日 更新日:

Q.なぜ私は昇進・昇格試験に合格しないのでしょう?

ここ数年、毎年昇進・昇格試験を受けているのになかなか合格しません。選択式問題も自信がありますし、小論文も過去の合格者のそれと比べても、悪くないと自分では思っています。会社に試験結果を開示する制度はなく、そのような会社の姿勢もあって非常にもやもやしています。私はなぜ合格しないのでしょう。(ともひさ 40代 会社員)※個人が特定されないように「ともひさ」さんの依頼で質問文を石井がリライトしています。

A.昇進・昇格試験は入学試験とは違います。

昇進・昇格試験と、推薦やAOを除く一般の入学試験の一番の違いは、試験の点数だけで合否が判定されるのではない、ということです。

昇進・昇格試験の場合、志願者が昇格後の職務に適しているかどうかを、普段の勤務態度から、さまざまな「大人の事情」までを参考に総合的に判断します。

そういった意味で、昇進・昇格試験は、「フェア(公平)」な試験ではない、と言えるでしょう。

では、どのような点が「フェア」ではないのか。

そしてそのような「フェア」でない試験に、どう向き合ったらよいか。

私の長年の経験から、以下、三つの面に即して分析してみますね。

受かる人は答案を見る前に分かる

いろいろ差し障りがあるため、このような書き方をしますが、受かる人はじっさいに答案を見る前のやりとりの段階でだいたい分かります。

特に分かるのが以下の3つです。

1,メールの文面が整っている

当講座での受講生とのやりとりは、問い合わせのメールをいただくところから始まるのですが、昇進・昇格試験で合格する人は、このメールの問い合わせの内容が整っています。

氏名はもちろん、明かせる範囲での勤務先情報、試験の時期、形式、内容の傾向など、こちらが欲しいと思う情報はきちんと書いてありますし、自身の文章力の程度など、自己分析の結果、自分のどこに弱点があるかまで的確に判断して、当講座に求めているものまでしっかりメールに書いてあります。

こういうメールをいただくと、きっとこの方が仕事で書くメールも的を射て簡潔、結果、仕事もスムーズに進むのだろうな、と思います。

2,ちょっとした「気遣い」が感じられる

また合格する人は、やりとりにちょっとした「気遣い」が感じられます。

たとえば、ファックスで答案を送る場合は、ヘッダーがつけられていて、すべてのページに氏名が書かれており、「●/◆枚中」と書いてあります。

また、こちらが添削をする際に参考となるであろう試験問題に関する補足情報が書き足されていたり、「なにかありましたら××(電話番号)にご連絡ください」の一言が添えられたりすることも多いです。

こうしたちょっとした「気遣い」を感じると、こちらもやはり人間ですので、素直に応援したくなるものです。

3,お金と時間の使い方が適切

そして、合格する人は、お金と時間の使い方もうまいです。

決して無駄遣いをするのではないのですが、こちらが提案したコース内容に対して、自分でしっかり考えて方針を決め、必要な分の金額はしっかり払ってくれます。

また、試験が急に決まったなど特殊な状況を除き、合格する人は試験までにしっかり時間的余裕をもって、こちらにコンタクトを取ってくれます。

つまり投資感覚があり、タイムマネジメントも上手であることが伝わってくるのです。

以上が、答案を見る以前のやりとりに見られる合格する人の特徴ですが、結局、これら合格する人というのは、「社会人として基本的なスキルとコミュニケーション能力をもっている人」ということになります。

こういう人はいざ添削のやりとりが始まっても、こちら側が指摘したことをしっかり理解して、自分の答案を改善することができますし、また、疑問があればこちらに的確に質問して、自分で自分の力を伸ばしていきます。

結果的に、合格する確率が高くなるというわけです。

昇進・昇格試験に落ちる小論文の特徴

とはいえ、「社会人として基本的なスキルとコミュニケーション能力をもっている」すべての人が合格する訳ではありません。

やはり、小論文の答案も合否に大きな影響を与えています。

とくに、自分では「けっこう書けているつもりの人」は要注意です。

こまかいことを言い出せばきりがありませんが、いわゆる「書けているつもり」の勘違い答案の大きな特徴として、以下の3つの特徴が挙げられます。

1,組織のなかに「私」が埋没している

これは主語や目的語が明確に書かれておらず、「私」がまったく見えない答案です。

だれが、なにを、どうするのかが渾然一体となって、社内の人ならまだしも、部外者にはまったくわからない答案となります。

昇進・昇格試験小論文の場合、大事なのは「適切に分をわきまえる」こと。

そして、そのためには自分を含んだ組織全体を、組織の「外」から客観的に眺める必要があります。

今、会社は外的環境の中でどのような位置にあり、自部署は会社の中でどのような役割を果たしているのか。そして自分の所属する課はなにを目標に現在活動しており、その中で「私」は今までどのような働きをしてきて、昇格後はどのように働きをするべきか。

これら組織をめぐる人事と業務の階層構造が、きちんと捉えられた記述ができていないと、高評価は得ることができません。

きちんと組織階層を分かるようにした上で、「私」がどうするのかが分かる文章を書く必要があります。

2,「人を使う」という視点が欠けている

昇進・昇格試験は、基本、「管理職」「マネージャー」を選抜するための試験です。

では、何を「管理」「マネージメント」するのか?

それはもちろん「部下」「スタッフ」です。

ですから昇進・昇格試験では、その人の業務遂行能力と同時に「人使い」能力を判断しようとします。

ところが、有能な技術者や営業職など職人気質の人に限って、この視点がまったく欠けた答案を提出してくることが多いのです。

彼らは自身の業務遂行能力に絶対の自信を持っています。達成してきた業績にも強い自負心をもっており、とにかくそれをアピールすれば評価されると思っているようなのです。

でも昇進・昇格試験の小論文はそれではダメです。

「管理職」「マネージャー」として、部下がどれだけ使えるかどうか、あなたの「人使い」能力を適切にアピールする必要があるのです。

3,昇格後のイメージが抽象的

昇進・昇格試験の小論文では、「今までやってきたこと(過去)」と「これからやろうとすること(未来)」のバランスが大事です。

ところが、人間はやってきたことの方が語りやすいため、どうしても前者に偏った答案を作ってしまいがちです。

結果、「これからやろうとすること」の方は、どうしても「精一杯頑張ります」や、「社の発展のために尽力します」といった、精神論、心構え論に終始しがちで、昇格後の具体的なビジョンが見えない答案を書いてしまうのです。

昇進・昇格試験小論文における「これからやろうとすること」は、会社に対する「マニュフェスト(=宣言文)」です。「私が昇進したら、これをやります!」という誓いを述べる文章です。

会社はそれを読んで、どの人を昇進・昇格させたら会社にとってもっとも利益になるかを考えるのです。

だからなるべく具体的な行動方針を提示して、「私を昇進・昇格させれば、会社にとってこんなにいいことがある!」とアピールする必要があります。

以上、「書けてるつもり」の勘違い答案の三つの特徴ですが、当講座はこの点の改善には絶大な自信があります。

この点に不安を覚えている人は、安心してください(笑)。

どんなに論文ができても受からないこともある

しかし残念なことに、社会人としての基本的なスキルとコミュニケーション能力を持ち、なおかつ小論文が適切に書けているにも関わらず、合格できない人がいるのも事実です。

そのような場合、話をよく聞くと、以下の3つに該当する場合が多いようです。

1,合格する順番がもう決まっている

公務員系や古い体質の大企業などの場合、昇進の順番が決まっていて、試験を受けても何年も受からない、かといって受けなければ順番が回ってこない、という非常にきつい状況に置かれることがあります。

このパターンの場合は、そこで何年か待つ価値があるかを考える必要があるでしょう。

2,上司から嫌われている

社内の上司が採点官(あるいは参考意見を提出する)といった場合、どうしてもこの要素が入ってきてしまうことがあるようです。

好き嫌いは理屈ではないため、小論文対策ではどうにもなりません。上司の異動を待つか、自身で異動する必要があります。

3,社風が合わない

文章力もあり、発想もユニーク、非常に読ませる答案を書く人が、いわゆる「お堅い」業界の昇進・昇格試験でいつまでも合格できない例がありました。また、その逆の例もあります。

答案の価値は、置かれた文脈で180度変わることがあります。答案内容と社風が合わないとなかなか合格することはできません。根本的なミスマッチといえるでしょう。

以上、特に大きな問題がないのに合格できない場合ですが、こういう状況にがまんできない場合は、こちらの音楽を聴きながら、転職エージェントに電話することをお薦めします。

茶化すように聞こえるかもしれませんが、けっこう真剣なアドバイスです。

人生は長いようで短いものです。

「社会人として基本的なスキルとコミュニケーション能力をもって」いて、「小論文も適切に書ける」あなたなら、どこかにもっと適した場所があるでしょう。

もし、このパターンに我慢ができないようであれば、真剣に転職を考えてみてください。

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さて、「ともひさ」さん、いかがだったでしょう。

私が見る限り、「ともひさ」さんの場合、メールの文章は整然としており、やりとりに大きな問題は無いように思われます。

まずは一度、書いた答案をこちらにお寄せください。

そして御社のことについてもう少し教えていただけますでしょうか。

きっとお力になれると思います。

 

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