さて、昨日の記事の続きです。本業ブログの記事をkindleで出版するまでの7つのステップ。
- ブログに記事を書きためる
- 記事を整理して書籍用にリライトする
- タイトルを決定し、本特有の記事を書き足す
- 表紙のデータを準備する
- 電子書籍用にデータ化する。
- 推敲する推敲する推敲する(笑)
- amazonにデータをアップする
今日は、5から7までです。
●5,電子書籍用にデータ化する。
さて、言い忘れましたが上記1~3の作業を、私はすべて「WZ EDITOR 8」というエディタ(=プログラミングなどで使われる簡易ワープロ)上で行いました。
通常のワープロソフトよりずっと操作が「軽く」、置換や検索、一括変換などの機能が充実しているので、原稿自体を仕上げるのには、やはりエディターが一番楽です。
ただ、電子書籍用に原稿をデータ化するときには、それ相応のソフトを用意する必要があります。
最近はマイクロソフトのwordを使って原稿作成からkindleへの入稿までをやってしまう方法が注目を浴びていますが、私は今回、あえてジャストシステムの「一太郎 玄 2013」のアップグレード版を購入して使いました。
この「一太郎 玄」。電子書籍のフォーマットであるepubやkindle専用のファイル形式であるmobi形式でデータ保存ができ、なおかつ電子書籍用のテンプレートも標準装備されていたりと、なかなか「電子書籍フレンドリー」なソフトなのですが、私がわざわざ一太郎を購入した一番の理由は「縦書きにしたかったから」です。
今回、自分がkindle出版をするための参考にと思って数々のKDP本を購入したのですが、みな「横書き」「ワープロ文書のまま」と思わせるものばかりで、ま、はっきりいって「ダサかった」(笑)
なので、一流のプロの仕事とまではいかなくても「縦書き」でそれなりのレイアウトになっているだけで他の本とは差別化できるのでは? と思ったんです。
で、実際縦書きにした文書を見てみると、「うん、まあ合格かな?」という感じでした。やっぱり縦書きは見やすいですね。
残念なのは、目次のところだけどうしても数字が縦書きにならないこと(笑)
一太郎は、アウトラインで編集すると自動的に目次を作ってくれる機能があって、これがホント便利なのですが、この部分だけが「惜しい」感じでした。
あと、本文にリンクを貼ろうとしたとき、やはり縦書き数字にはリンクが張れないんです。
本当は、「ツボその○○」全体にリンクを張りたいのですが、「ツボその」の所だけになってしまう。ここも将来改善されることを願ってます。
この「縦書き」VS「横書き」ですが、個人的な感想としては、いわゆる「文系の本」なら縦書きに挑戦する価値はある、という感じです。あとはそれぞれの人の本業の種類に合わせて選択すればいいでしょう。
●6,推敲する推敲する推敲する(笑)
今回、原稿執筆からkindleへの入稿まで以下の様な流れでデータを処理してました。
①原稿執筆:エディタ
↓
②入稿データ作成:一太郎
↓↑
③データの確認:kindleプレビューワー
↓
【入稿用のepubファイルの完成】
で、この②と③のやりとりによる推敲・校正が「地獄」でした(笑)
縦書きだったせいもあるのですが、一太郎上で推敲して、それをkidleプレビューワーで確認し、修正箇所を全部ピックアップしてまた一太郎上で修正し、またプレビューワーでチェックして・・・・
この作業を延々3日間やり続けました(^^;)
まあ、普通の人がここまでやる必要があるのかどうかは疑問なのですが、私の場合は本業が本業ですので(笑)、「分かりづらい文章で説明された分かりやすい文章の書き方本」にだけはしたくなくて(笑)、結局、正月をすべて返上してこの作業に没頭していました。
それでもまた100%満足なわけではないので、今後も修正を続ける必要は出てくるんだろうと思います。(もし読んで誤字脱字等を見つけたら、ぜひ教えてください!)
(また、この段階でも一太郎には助けられました。今の一太郎の「校正」機能は非常に充実していて、表記のゆれなどはすべてチェックしてくれます。修正も一括でできるので、ずいぶん助かりました)
あと、この段階でやっておくべきことととしては、実機でどのように見えるかをできるだけ確認しておくことです。
たとえば、kindle上ではフォントの違いや太字表現がきちんと表現されていても、AndroidやiPhone、iPad上では、それらの修飾はすべて無視されてしまいます。(なおかつiPhone、iPad上で最終的にどう見えるかは、「発売後」まで結局分からずじまいです)
それ以外にも中表紙タイトルのレイアウトや、挿入した図の見え方など閲覧する機器ごとの見え方が違うので注意が必要です。(上記の画像はAndroidのスマホ上のものです)
●7,amazonにデータをアップする
入稿用のepubファイルができあがったら、いよいよamazonにデータをアップです。
ただデータをアップする前にKDPのアカウントを作ったり、アメリカの税金関係の申請を行ったりしなくてはならないのですが、それほど大変ではありません。(ちょっと前までアメリカの税金関係の書類提出が面倒だったのですが、私がやったときはオンライン上の申請だけでOKでした)事前に原稿を書きつつ並行して行っておくとよいでしょう。
で、準備をしておいたアカウントにいざ入稿データをアップするわけですが、
- タイトル
- フリガナ
- ローマ字タイトル
- 版
- 出版者
- 内容紹介
- 本の著者等
- 言語
- 発売日
- アダルトチェック
- ぺーじめくり
- 出版権利の確認
- カテゴリー登録
- 検索キーワード
- 表紙のアップロード
- 本のアップロード
- 権利と価格設定
- ロイヤリティの選択
こんな感じでデータを入力・アップロードしていきます。そんなに難しいものではありません。
ただ、ここで考えておかなくてはならないのは、「内容紹介」の文章でしょう。
やはり買ってもらえるかどうか、信頼してもらえるかどうかはここの文章にかかっていると思われます。
また、無事原稿をアップすると「権利と価格設定」のページに移って「ロイヤリティの選択」をすることになるのですが、もし、本業ブログの記事をkindleにして、なおかつブログの記事をそのまま残しておきたいのなら、ロイヤリティ(印税率)は「35%」にしておく必要があります。
じつは、kindleには「KDPセレクト」といってロイヤリティを「70%」に設定することのできる制度もあるのですが、これに参加するには「Kindleストアに本の独占販売権を提供」する必要があります。
つまり、kindleで出版されているのと同じものが他のルートで手に入る状態になっていてはいけないわけで、これはブログ記事でも同じことです。
なので、ブログ記事をそのままにしておきたいのであれば、最初からロイヤリティ70%はあきらめて35%で我慢しましょう(笑)(でも紙の本の印税に比べたら破格なんですけどね)
あと、最後に「価格」ですが、今回私はこの本の価格を「360円」に設定しました。
紙の新書がだいたい1ページ600文字×180ページで800円程度。
そこから紙代やらなんやらの200円を引いて「情報料」は600円。
この本の原稿本体の字数は約6万3000文字で、新書の10万8000文字の約60%なので、600円×60%=360円、という至極シンプルな計算方法です(笑)
たくさんの人に買ってもらうためには、「100円」で売った方が良い、としている解説本や、実際100円で売っているKDP本も多いのですが、そこは「物書きの端くれとしての矜恃」ってやつでして(笑) あえてこのような値段のつけかたをしてみました。
このあたりは、どのような意味合いでkindle本を使うかで最適な価格は変わっていくんだと思います。
●kindle出版を振り返って
今回のKDPを振り返って思ったことは、以下の3つです。
- すべてをコントロールできるのがうれしい
- 編集者って偉大だ(笑)
- 「作る」と「売る」は別物。本業に繋げてナンボ
まず、すべてが自分の思い通りになるというのは感激でした。
書き下ろしの本の場合、けっこう自分の思い通りにならないことが多いものです。
タイトル、表紙のデザイン、マーケティング、そして文章そのもの。
著者がタッチできないものから、勝手に変えられてしまうものまで思い通りにならないことがたくさん。
でもKDPであれば、そのすべてを自分の思い通りにすることが可能です(その代わり責任も100%背負いますが)。これはちょっと感動でした。
ただ、そうやってすべて独りでやってみると、改めて「編集者のありがたみ」というのも分かりました。
作者が書き散らした原稿をきちんと整理して本として読めるようにする。その作業のいかに大変なことか(笑)。
次回以降、推敲は自分でできるようにしておきつつ、その前の編集作業の部分、特にDTPオペレータの仕事の部分は誰かにやってもらうことも考えようかと思っています。
そして、最後に「作る」と「売る」は別物ということ。
これは本当に重要な部分で、これが今後の私自身の課題と言えるでしょう。
いかにkindle本を本業に繋げていくか? kindleと本業はどのような関係が理想か?
この実験はこのブログで引き続き報告していこうと思います。
ただ、今の段階ではっきりと言えることは、
本業につなげるための「試供品」としてのkindle本ですが、試供品だからこそ、それ自体できちんと満足してもらえる内容にすることが重要であり、そのためにはしっかりとした戦略に基づいて構想する必要がある
ということです。
だれでもKDPで本を出版できる時代だからこそ、いかにその内容の質を保てるかが重要。
そして、その質の維持のために私は自分ができることをコツコツとやっていこうと思っています。
●amazonさんへのお願い!
もうすでに充分すぎるほど長くなっているのですが、最後に一つだけ。
amazonさん、「ギフト」機能を早く日本でも実装してください!
「ギフト」機能というのは、kindle本をだれかにギフトとして送る機能なのですが、まだ日本のamazonでは使えないんですね。(アメリカではすでに実装ずみ。下の画像は試験的にamazon.comで購入したもの。日本のデバイスでは読めない(T_T))
kindle本を本業に繋げようとしたとき、やっぱり「ギフト」として使えるといろいろな「打ち手」が考えられるんですよね。
たとえば私の本業で言えば、
- キャンペーンの特典
- 知り合いへの「電子献本」
- 「名刺」代わりに取引先に配布
- 「教材」の一環として受講生にメールで配布
- 出版社への「売り込み」原稿としてのサンプル
などの使い途がある。
でも、「ギフト」として使えなければ、「はい、それま~で~よ~♪」(笑)
ぜひ、ぜひ、「ギフト」機能の実装をお願いいたします。
●キャンペーンのお知らせ!
ということで、長々とお読みいただきありがとうございました。
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