「今日、私が話したことをすべて忘れても、これだけは忘れないでください!」と、私が講演や出張授業で力説するのが、この、
「与えられた条件に過不足なく応えること」
です。
大学入試や昇進昇格試験などで課される小論文には、かならず「設問」があります。
その設問は、昔は「●●について書け」的な単純なテーマのみのものが多かったのですが、最近は設問の中で、書くべき内容と構成を指定してくるものが多くなっています。
例を挙げましょう。
【設問】
「当社の置かれた外部状況を概観し、当社の強みと弱みを抽出した上で、今後に向けた方策を提言しなさい。提言は、全社レベルとあなたが所属する部署レベルに分け、それを踏まえてあなた自身の今後の取り組みまで踏み込むこと」
このように、かなり細かく「何を」「どう」書いたらよいかが指定された設問であれば、これに過不足なく応えましょう。必然的に答案の流れは以下のとおりになります。
・当社の置かれた外部状況
↓
・当社の強みと弱み
↓
・全社レベルでの方策
↓
・自部署レベルでの方策
↓
・自分自身の今後の取り組み
↓
・まとめ
もう一つ例を挙げます。
【設問】
「ネット選挙の功罪を挙げ、ネット選挙が解禁されたときに起こる影響を予想し、それに対する対応策を述べよ」
この設問に対応する答案の流れは以下のようになります。
・ネット選挙の「功」
↓
・ネット選挙の「罪」
↓
・ネット選挙が解禁された時に起こると予想される影響
↓
・その影響に対する対応策
ポイントは、「過不足なく」です。
条件にきちんと応えていない「不足」は論外ですが、自分が書きたいことを余分に書いてしまう「過剰」も減点されてしまいます。
設問が要求する内容を要求する順番で書く。
きちんと要求に応えるために、何も足さない。何も引かない。
これを意識しましょう。
そして、これが小論文を書く上で一番大切なことなのです。
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小論文の書き方のコツをすべて伝授! 小論文のツボ60 - 作文と小論文の違いから日頃の訓練法まで- 石井秀明 論文オンライン 2014-01-01 |
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