「分かりやすい文章のための7ヵ条」第4条は、
文末はできるだけ簡潔に。「思う」「感じる」「考える」は使わない。
です。
日本語文の大きな特徴として「文末決定性」があります。
日本語の文章は、最後が「ない」で終わるのか、「ある」で終わるのかで意味がまるっきり反対になり、また、最後まで読まなければどちらなのかが分かりません。
また、日本人は文末を「ぼかす」言い方が大好きです。
例を挙げます。
<悪い例>
筆者の言うことも、わからなくもない。たしかにその通りといっても過言ではないだろう。私も同じ教育の現場に立つ者として、学校の「校則」と「個性」の問題はつねづね考えさせられないわけにはいかない。
しかし、「分かりやすさ」を重視した場合、これらの特徴は時として障害となります。
特に「ないとはいえない」といった否定語の連続使用は文章を「濁らせ」ます。
分かりやすく伝えるためには、文末はできるだけ肯定形にし、簡潔に表現しましょう。
<書き直し例>
筆者の言うこともわかる。たしかにその通りだ。私も同じ教育の現場に立つ者として、学校の「校則」と「個性」の問題はつねづね考えている。
また、「と思う」「と感じる」「と考える」という表現も使いすぎに注意です。
<悪い例>
私はこの人のいうとおりだと思う。体罰はもはや日本の文化だと思う。だからなかなかなくならないと思う。私は日本人のものの考え方を変える必要があると考える。
文章は思った「内容」を書くべきであり、思ったという「事実」は、わざわざ伝える必要はありません。
<書き直し例>
筆者のいうとおりである。体罰はもはや日本の文化だ。だからなかなかなくならない。まずは日本人のものの考え方から変える必要がある。
言い切ることには勇気が要ります。しかし、言い切ろうとすることで、思考に「たるみ」がなくなり、発言に責任感が生まれます。
そしてそれが「伝える力」になるのです。
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