このサイトは、論文オンライン代表、石井秀明が2002年に出版した『実戦添削例から学ぶ必ず受かる小論文・作文の書き方』(新星出版社)から、小論文の書き方に関する説明をダイジェストで抜き出したものです。
はじめに
▼小論文入試はコミュニケーション能力試験だ!
いままで誰も言いませんでしたが、じつは「小論文入試」というのは高度な「コミュニケーション能力試験」なのです。
なぜなら実際の小論文入試では、以下のように受験生のさまざまなコミュニケーション能力が試されるからです。
①試験官・出題者とのコミュニケーション能力
- 読者(試験官)が評価したい点をきちんと想定して論文が書けるか
- 設問の要求をきちんと読みとり、それに対して過不足なく答えることができるか
- 自分の考えを他人がわかるような形で正確に表現できるか
②資料文や図表とのコミュニケーション能力
- 資料文や図表が主張していることをきちんと理解できるか
③社会とのコミュニケーション能力
- テーマに関する社会的文脈(みんなが知っている事実・意見)を把握しているか
- 最近の時事問題を知っているか
④自分とのコミュニケーション能力
- 自分との対話を通じて自分の考えをまとめることができるか
- 自分の文章を客観的に読み、推敲できるか
▼いままでの小論文の書き方の問題点
ところがいままでの小論文・作文の書き方の指導には、この“コミュニケーション”という視点が欠けていました。
いままでの小論文・作文の書き方の主流は、いわゆる「型書き」というものでした。古くは「起承転結」や「序破急」、最近は「序論・本論・結論」や「○○式」といった「型」が提示され、その「型」に沿って答案を書いていくものです。
たしかにこの「型書き」は非常に便利です(じっさいこの本でも本当に使える「型」を提唱しています)。しかし、残念ながら本番の小論文入試では、この「型書き」だけでは対応できないことが非常に多いのです。
なぜなら、本書で説明するように、実際の小論文の問題は、非常に多くの形式や内容を持っているからです。そして数多くの形式や内容に、たった一つの「型」だけで対処しようとするには限界があります。つまり、一つの「型」だけでは複雑な「コミュニケーション能力試験」には対応できないのです。
▼これが“小論文・作文の書き方”の決定版!
そこで登場するのが、この本です。
この本は、「コミュニケーション能力試験としての小論文試験」を強く意識した、おそらくはじめての本です。
私はこの本で、「コミュニケーション能力試験としての小論文試験」を突破するための具体的な方法を述べようと思います。
まず、序章と第1章で「小論文」を書くときに知っておくべきことを学びます。そしてそのあと第2章で、実戦的な答案の作成方法を学びます。具体的には、“本当に使える”四つの答案の「型」を学び、それを設問にあわせて自由に使いこなす方法を身につけます。
そうすることであなたは「コミュニケーション能力試験としての小論文試験」を突破する実力を身につけることができるでしょう。つまり、どんな問題が出題されても、かならず合格レベルの答案が書けるようになるのです。
この本で、いままでの小論文・作文の書き方とあなたの答案は、“劇的に”変わるのです。
▼この本の特徴と使い方
この本は、小論文を書こうとするすべての人を対象にしています。
入試用であれ、就職試験用であれ、小論文・作文の本質に変わりはありません。ですから本書では、必要がない限り、入試用と就職用とに分けて説明するようなことはしませんでした。
また、この本には全編を通じて小論文の実例が掲載されています。
これは実例を数多く読むことで、どのような答案が高く評価されるのか、また逆にどのような答案が低く評価されるのかを、あなたに知ってもらうためのものです。
特に第3章では、添削前の答案と、添削後の答案を数多く載せています。これらを読むことで、あなたは、どんなことに気をつけて論文を書いたらよいかがわかるようになるでしょう。
そしてこの本は、私が代表を務める小論文通信添削講座「論文オンライン」のテキストでもあります。「論文オンライン」のサイトには、この本を読み終えた人がさらに深く小論文を学ぶためのコンテンツがそろっています。ぜひ一度アクセスしてみてください。
小論文通信添削講座「論文オンライン」
Webサイト:http://www.ronbunonline.com
【ご注意!】
このサイトの記述内容は、本が発行された2002年の状況が元となっております。小論文を巡る状況は大きく変わりましたので、最新の知見につきましては「論文オンライン」の公式Webサイトをご覧ください。