第2講 「何を」「どう」書いたらよいか?

2-4:作文型小論文を「どう」書いたらよいか?その1(過去の自分中心型)

投稿日:2013年12月15日 更新日:


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「過去の自分」中心型では、具体的に自分が何をしてきたのかを述べるのがポイント。事実にあなたを語らせよう!

「作文型小論文」は、設問の種類によって、「過去の自分」と「未来の自分」のどちらに重点を置くかが変わってきます。どちらに重点を置くかによって、それぞれ「過去の自分中心型」「未来の自分中心型」といいます。

そのなかでも「過去の自分」中心型の作文型小論文は、あなたの過去について重点的に聞いてくる問題です。典型的な例は「私の愛読書」「高校時代で一番印象に残っていること」などです。そして、標準的な「過去の自分」中心型の作文型小論文の構成は以下のようなります。

これが「過去の自分」中心型の基本の型だ!

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それでは、この型に従って書かれた小論文を挙げます。課題は以下のものです。できればあなたもこの演習課題に挑戦してみてください。

演習1:「高校/大学時代で一番印象に残っていること」
(制限字数600字。高校生のあなたはは高校時代の、大学生以上のあなたは大学時代の一番印象に残っていること、を書いてみてください)

型どおりに書いてみよう(1) 型にもとづく解答例と注意事項

それでは演習1の解答例を挙げ、注意事項を述べます。デザイン系の大学を志望する高校生が書いたもの、という設定です。

《解答例》
第1部 「過去の自分」の経験を端的に答える
高二の時に親と進路のことでひどいケンカをしたことが、私の高校生活で一番印象に残るできごとである。

第2部 その経験の詳しい説明
(=どんな経験だったか)
東京で家具のデザインの勉強がしたい、という私に、親は「将来が安定している公務員になりなさい」といって、地元の大学に進学することを要求してきた。どうしてもデザインが勉強したかった私は、両親と鋭く対立し、毎日けんかばかりしていた。そしてついに両親との関係は最悪になり、軽い家出まですることになってしまった。結局、私の叔母が間に入り、両親と徹夜で話し合った末、留年は絶対にしないことと、卒業後五年でものにならなかったら地元に戻ることを条件に、私は今回の受験を許してもらった。

第3部 経験の分析
(=その経験がどのように自分を変え、いまの自分にどのように影響を与えているか)
この経験を通じて、私は自分が本当にやりたいことを再確認できた。また、両親が私を思う気持ちも理解できた。そしてなにより、お互いの価値観をぶつけ合うことで一人の人間として、自分と両親を見つめられたと思う。いまでは両親は私の一番の理解者である。

第4部 まとめ
(「未来の自分」像と絡めてさりげなく決意表明)
私は将来、高齢者にも使いやすい日常器具のデザインをしたいと思っている。そしていつか両親にそれらの器具を使ってもらうことで、私のわがままを聞き入れてくれた両親にお恩返しをしたい。そのためにも入学後は一生懸命デザインの勉強をしたいと思う。

《注意事項》
「過去の自分」中心型の作文型小論文は、以下の三点に気をつけて書くようにしましょう。

  1. 具体的に経験を述べること
  2. 経験をポジティブに分析すること
  3. 自分の"最高の失敗"を思い出しておくこと

(1)具体的に経験を述べること

「過去の自分」中心の作文型小論文の命は、具体的な経験です。別にとっぴな経験でなくてもかまいません。与えられたテーマに関していままで自分が経験したことの中で、一番自分の内面を変えた経験を書きましょう。

例えば、就職試験であなたがよく書く答案に「さまざまなアルバイトをして人間関係をいろいろと学んだ」という文章があります。しかし、これでは漠然としすぎて、何を学んだのかわかりません。これをたとえば、「私は大学4年のとき、某牛丼チェーン店でアルバイトをした。私はそこで深夜店長を務め、初対面のアルバイトさんが三十分以内で私の下でリラックスして働けるようになるテクニックを学んだ。そのテクニックとは…」と書けば、話がぐっと具体的になり、読む方もその先を読みたくなります。

何百枚もある答案の中からあなたの答案を際だたせるには、ありふれていない個性的な経験を書かなければなりません。しかし、経験自体は個性的でなくてもかまわないのです。大事なのはそのありふれた経験をありふれていないものにする具体性なのです。

(2)経験をポジティブに分析すること

経験を具体的に書くことと同じくらい重要なのが、その経験がきちんと分析できているかどうかです。

いくら変わった経験を書いても、またいくら具体的に経験を書いても、その経験が自分にとって何だったのかを分析できない人の答案は高く評価されません。

なおかつ、「自分を売り込む」という小論文の性質上、その分析はポジティブ(前向き)なものでなければなりません。

そして自分がポジティブに経験を分析できることをアピールするためには、第2部の「経験の詳しい紹介」の部分にマイナス要素を入れておくこと、そしてそれを第3部でプラスに転換するテクニックが有効です。

たとえば、演習1の解答例の場合は、「親とケンカをし、関係を悪化させてしまったこと」がマイナス要素になっています。そしてそれを第3部で「自他を見つめ直す良い経験だった」とプラスに転換し、いまの自分の糧にしています。

このように、一見マイナスの経験をプラスに転化することで、試験官に「私はものごとをポジティブにとらえられ、自分で成長できる人間です」とアピールすることができるのです。

(3)自分の"最高の失敗"を思い出しておく

(1)と(2)の解説でおわかりのように、よい「過去の自分」中心の作文型小論文を書くためには、「具体的に思い出すことができ」「学ぶところが多い」「自分を内面から変えた」"最高の失敗"を思い出しておく必要があります。

「あなたのいままでの人生における最高の失敗はなんですか?」と聞かれて、あなたはどんな"最高の失敗"を挙げるでしょうか。そしてそれは、学ぶところの多い"最高の失敗"だったでしょうか。

失敗はそのままにしておいたら、単なる人生の汚点です。しかし、そこから学ぶことで、すばらしい宝にもなるものです。よい「過去の自分」中心の作文型小論文を書くためにも「自分を成長させてくれた最高の失敗」を思い出しておきましょう。

それでは次に、「未来の自分」中心型の作文型小論文の書き方を説明します。

でもその前に、もう一つおまけの質問です。でもこの質問が次の解説で重要な意味を持ちますので、かならず答えを出しておいてください。

  • あなたの「夢」は何ですか。
  • その前に達成すべき「目標」はなんですか?
  • さらにその前に果たすべきいまの「課題」はなんですか?


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