小論文お悩み相談室

小論文をはやく書くコツ大公開! この手順で訓練すれば余裕で書けるようになる!【小論文お悩み相談】

投稿日:2017年2月19日 更新日:

本日も、高校3年生の「くりりん」さんからいただいたお悩みにお応えします。

Q.小論文をはやく書くコツを教えて下さい!!

小論文が時間内に書けません。もうすぐ大学入試で90分で1000字の小論文試験があるのですが、何回か時間を計ってやったのですが、いつも倍ぐらいの時間がかかってしまうのです。資料文付きの問題ですが、私は読むのも遅く、本当に焦っています。小論文をはやく書くにはどうしたらいいですか?
(くりりん・高校3年生)

A.小論文をはやく書くコツを公開します!

時間内に書けないかもしれない。それだけで焦ってしまいますよね。

●小論文がはやく書けない原因は4つある

小論文の作成に時間がかかってしまう原因は、主に以下の4つです。

  1. 物理的に書く(&読む)スピードが遅い
  2. 考えながら答案を書いている
  3. 「下書き」を書いている
  4. ものを知らない(=ネタがない)

まず、1ですがこれが直接的な原因で制限時間内に書き切れない人はほとんどいません。

それよりも深刻なのは2~4。ほとんどの人がこちらが原因で書き切れなくなっている、というのが私の実感です。

ただこの中でも4に関しては、すぐに改善するのは難しいものがあります。

物知りでなければよい小論文は書けない

これは冷徹な事実です。

もし4が書けない理由だと感じたなら、今からこつこつ知識を蓄えていきましょう。

ということで、比較的短期間で時間短縮が図れる症状は、

2,考えながら答案を書いている
3,「下書き」を書いている

の二つということになります。

そして、じつはこの二つ。

根本の問題は共通しています。

その問題とは、

「書き出す前にプロットを作成していない」

というものです。

「プロット」というのは、答案の流れをメモしたものです。

いわば、小論文の「あらすじ」「設計図」ともいうべき、大事なもの。

これを作らず小論文を書き出すことは、設計図も作らずに家をいきなり建てようとするようなものです。

プロットを作っていないから「考えながら答案を書く」はめになり、結果、時間が足りなくなってしまうのです。

「下書き」も同様です。

なにも考えずに下書きを書いたとしても、それはプロットを作らず答案作成するのと同じこと。

途中まで考え、考え、下書きを書いて、結局時間が足りなくなって、提出用の答案用紙に書き写しだし、最終的には時間切れで中途半端な答案が2本できあがる。

これが下書きを書いたときの「最悪の結末」です。

ですから小論文の答案をはやく書き上げたいなら、効率的にプロットを作成し、迷わず一気呵成(いっきかせい)に執筆できるようにすることが一番重要になるのです。

そして、これは訓練で比較的短期間でできるものなのです。

まずは時間配分のコツをつかもう

では、どうすれば効率的に短時間でプロットができるようになるでしょう?

まずは、試験時間の時間配分のコツをつかむところから始めましょう。

小論文の答案作成は、以下の4つのステップで成り立っています。

  1. 設問分析
  2. プロット作成
  3. 執筆
  4. 推敲

そして本番の小論文試験では、この4つのステップに時間を割り振っていくことになります。

そして、なるべく2,のプロット作成に時間を割けるようにし、なおかつその時間内にしっかりとしたプロットを作成できるようにするわけですが、その訓練をするために、まず以下の2つの準備作業を行ってください。

【準備作業その1】

もし、資料文付きの問題であれば、資料文を読み通すのにかかる時間を計りましょう。

ポイントは、「しっかり理解しながら読む」こと。

時間が足りないと思うと焦るものですが、焦らずしっかり理解しながら読んだときにどのくらい時間がかかるかをまずは計測してください。

あとは、それに+5分ほどして、1,の設問分析にかかる時間を算出します。

もし、資料文付きでない場合(=テーマのみ問題)は、たんに5分を1,の設問分析の時間にしましょう。

【準備作業その2】

つぎに過去問と同じ制限字数と同じ文字数を視写して3,執筆にどれくらい時間がかかるかを把握しましょう。

たとえば1000字が制限字数なら、とりあえずなにかの模範解答でもよいですし、資料文でも構わないので、1000文字分視写してタイムを計ってください。

そのタイムが、あなたがまったく途中で迷わず答案を書き切ったときにかかる「必要最低限の執筆時間」ということになります。

しかし、どんなにスムーズに書けたとしても、本番の執筆では、ある程度「途中で立ち止まって考える時間」が必要となります。ですから、実際には「必要最低限の時間」に「制限字数÷100分」を加えて「本番で執筆にかかるであろう時間」を算定しましょう。

たとえば制限字数が1000文字であれば、1,000文字÷100=10分を「必要最低限の時間」に加えてください。

こうして、「1,設問分析にかかる時間」と、「3,執筆にかかる時間」を算出したら、制限時間からそれらの時間を差し引きましょう。

たとえば、制限字数1000文字で制限時間90分の問題で、設問分析にかかる時間が15分、執筆にかかる時間が50分だとしたら、残り時間は25分。

この25分が「2,プロット作成」と「4,推敲」に割ける時間となります。

そして、「4,推敲」は必須ではありませんので、当面は25分で「2,プロット作成」する練習を行いましょう。

これが確実にできるようになれば、時間不足で答案が書き切れない、ということはほぼ確実になくなります。

 

プロット作成を短時間でできるようにするには?

プロットの作成方法に関しては、さまざまなところで書いていますので、たとえば以下のリンク先等を参照してください。

小論文のツボその6 小論文作成のための4つのステップ
小論文のツボその7 「設問応答」か? 「自由記述」か? それが問題だ。
小論文のツボ8 「資料付き」と「テーマのみ」難しいのは?
小論文のツボ9 「プロット作成」でやるべき3つのこと

簡単にまとめれば、

設問の要求に過不足なく応える

を大原則とし、

「設問応答型」の場合は、設問の要求通りに答案の流れを構築し、
「自由記述型」の場合は、「応答」「根拠」「提案・抱負」あるいは「引用」「判断」「根拠」「提案」といった「本当に使える小論文の型」を利用して、プロットを作成してください。

おそらく最初は、制限時間内にプロットを完成させることに困難を感じるでしょうが、これぞまさしく「習うより慣れろ」。

なんどもプロットを作っているうちにだんだんと早く、しっかりとしたプロットが作れるようになるはずです。

今回のブログ記事を書くためのプロット。プロット作成から原稿完成まで約1.5時間でした。

それでもプロットが短時間でできない場合は?

それでもなかなかプロットが短時間で書けるようにならない場合は、以下の対策をとりましょう。

対策1:資料文を視写して、書くスピードと読むスピードを上げる。

書くスピードと読むスピードを上げて、もっと長くプロット作成のための時間を確保しようという対策。

【準備作業】であまりにも1,設問分析と、3,執筆に時間がかかっていると判明してしまった人は、ぜひ、この対策をとってみましょう。

資料文を深く理解し、なおかつ書くスピードを上げる訓練には「視写」が最適。

制限字数を視写するのにどのくらい時間がかかるのかを計測しながら、少しずつ読む時間と書く時間を短縮していきましょう。

対策2:頻出テーマに関する書籍をまとめて読み、テーマに関する「観」を構築する。

繰り返しますが、知識不足ではプロットそのもののが構築できません。

そして、知識を収集する前に作り上げなければならないのが、テーマ領域に関する「基礎的な知識群」。

つまり、そのテーマに関する「観」を作り上げなければなりません。

「日本人観」「世界史観」「労働観」「言語観」などなど。

自分の志望するテーマに関する「観」をまずは構築してください。

くわしくはこちらを読んでみてください。

対策3:小論文の参考書をまとめ買いし、使える「キラーフレーズ」を書き出してストックする。

最後は本当に緊急避難的な対策ですが、小論文の参考書をまとめ買いし、使える「キラーフレーズ」を集めておくのもプロット作成に役立ちます。

いわゆるトピックセンテンスに使える表現を集める、という作業ですが、これをやっておくと、「それっぽい」小論文が書けるようになります。

ただし、使い方を誤ると「ちょっとずれた」答案になりますし、自分の言葉ではないため説得力に欠ける論になってしまいがちです。

あくまでも緊急避難としての対策だと思っていてください。

さあ、いかがだったでしょう?

はやく書けるようになるには地道な訓練が必要ですが、決して不可能な訳ではありません。

くりりんさん、頑張ってください!

 

 

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