これから9回に渡って「論理的思考のツボ」をご紹介します。
最初は、「思考」と「感情」の関係について。
「文章」は作文にせよ、論文にせよ「思考の産物」です。あなたが考えた結果が文章という「果実」になるわけです。
「小論文」もまったく同じ。あなたの思考の結果があなたの小論文の答案となるわけです。
そして、より深く適切に思考することが、評価の高い小論文を生み出します。
しかし、「思考」の出発点は、つねに「感情」であることを忘れてはいけません。
身の回りの出来事やメディアのニュースを見て「好き」「嫌い」「許せない」「悲しい」「素晴らしい」など、気持ちが動いたら、そこに「思考のタネ」が潜んでいます。
「なぜ好き(or嫌い)なのか?」
「どうして許せないのか?」
「この悲しみは何だ?」
「この素晴らしさはどこからくるのか?」
このように感情をよく観察して、「言語化する」ことが「考える」ということなのです。
しかし、そういった意味では、我々の多くはほとんど「考えていない」生活を送っていると言わざるを得ません。
「ムカつく!」「うざい!」「超かわいい」「やばくない?」など「感情」を表すいくつかの言葉をローテーションで口から発して、それでスッキリしている。
また、各種メディアのニュース記事から、自分が気持ちよくなる情報だけを取り入れ、それをあたかも自分の意見であるかのように周りに吹聴して悦に入る。
これらは、とても「もったいない」ことです。
人間は自分の体験に「意味づけ」しながら生きています。
意味づけされた体験の蓄積がすなわち「人生」。そして「意味づけ」とは、兎にも角にも「言語化」なのです。
普段から考えない生活を送っている人が、小論文を書くときに考えられないのは当たり前です。
だからこそ、自分の内なる感情を注意深く聴きましょう。
そしてそれを丁寧に言葉にしようと思いながら生活しましょう。
すべてはそこから始まります。
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