●あなたが小論文を書けない理由はこの3つ
試験本番まで時間がないのに小論文が書けない!
おそらくあなたが小論文を書けない理由は、以下の3つのいずれか、あるいはその複合技です。
- 基本的な文章力がない
- テーマに関する知識がない
- 小論文の書き方を知らない
まず、「1,基本的な文章力がない」。
知識も充分持っているし、意見もきちんと持っている。でも相手に自分の言いたいことが伝わってないなあ、と感じるあなたは要注意です。
つぎに「2,テーマに関する知識がない」。
文章を書くのは苦手ではないし、国語の点数も悪くない(悪くなかった)。でも「何も考えられない」「何を書けばいいのか分からない」というあなたは、この問題を抱えているかもしれません。
そして最後に「3,小論文の書き方を知らない」
知識もあるし、自分の意見を論理的に分かりやすい文章で書いてる。でも、なぜか小論文の点数が低い。あるいは、自信をもって小論文を書くことができず、書くのにものすごく時間がかかる。こんなあなたは、おそらくこの問題を抱えているのでしょう。
これら1,~3,をきちんと克服しようとすると、やはりそれなりの時間がかかってしまいます。
「でも試験まで時間がないんだよ!」
はい。それでしたら、これからご紹介する「たった一つの冴えた方法」で、本番ぎりぎりまで小論文を練習するしかありませんね。
●これが「たった1つの冴えたやり方」
小論文の力を短期間でアップさせる「たった一つの冴えた方法」とは、ずばり、
過去問(とその類似問題)を「徹底的に」やりこむこと
です。
「なーんだ。」とお思いですか?
はい、たしかに目新しい方法ではありません。
でも、やっぱりこれが一番「効く」んです。
ただ、漫然と過去問に取り組んでいては思うような効果は上がりません。
必要なのは、以下の5つのステップで「徹底的に」やりこむことです。
- ステップ1:過去問と類似問題を「徹底的に」集める
- ステップ2:小論文の書き方を「徹底的に」学び、添削を受ける
- ステップ3:完成答案・模範解答を「徹底的に」視写する
- ステップ4:関連知識を「徹底的に」詰め込む
- ステップ5:プロット作成の練習を「徹底的に」する
以下、くわしく説明します。
●ステップ1:過去問と類似問題を「徹底的に」集める
まず、過去問を「徹底的に」手に入れてください。
はい、「徹底的に」です。手に入れられるのであれば10年分でも20年分でもかまいません。手に入れましょう。
「そんなにやりきれない!」ですか?
大丈夫です。
このあと説明するステップで、集めた問題はすべて使いますので、いくら集めてもらっても構いません。
では、過去問が「まったく手に入らない」、あるいは「少ししか入手できない」人はどうしたらよいか?
そういう人は「類似問題」を集めましょう。
まず、問題が非公開など、過去問が全く手に入らない人は、志望先に電話して、
- 制限時間/制限字数
- 資料文付きか? テーマのみか?
- 志望先の学習内容に関係するかしないか?
あたりを中心に聞いてみてください。
できれば「内容は作文的か?、論文的か?」や、「設問が細かく書くことを指定してくるか? それとも自由に書く形式か?」まで聞けると「類似問題」が集めやすくなります。
そうしたら、高校生や浪人生のあなたは、学校や予備校の図書館に行き、上記の条件に当てはまる他の学校の小論文の問題を見つけましょう。上記条件の中でも、
- 資料文付きか? テーマのみか?
- 志望先の学習内容に関係するかしないか?
- 設問が細かく書くことを指定してくるか? それとも自由に書く形式か?
が特に大事ですので、これらの条件にあてはまる問題を集めてください。
社会人の方の小論文試験の場合は、やはり中心はネットや書籍となるでしょう。
やはり上記の条件に当てはまる問題をできるだけ集めてください。
※→自分が挑戦する小論文のタイプを知り、類似問題を集めるために必要な情報はこちらです。
小論文のツボその6 小論文作成のための4つのステップ
小論文のツボその7 「設問応答」か? 「自由記述」か? それが問題だ。
●ステップ2:小論文の書き方を「徹底的に」学び、添削を受ける
こうして過去問(+類似問題)が集まったら、小論文の書き方を「徹底的に」学びましょう。
ここに関しては百花繚乱。さまざまな人が様々な「小論文の書き方」を説いていますので、一番自分にしっくりくる方法を選んでください。
書店に行き、書棚の参考書を片っ端めくって「ピンと」くるものを選べば良いでしょう。
もちろん、私も小論文指導者の端くれなので、ぜひ、私の方法をおすすめしたいとは思うのですが、「相性」ばかりはどうにもなりません(笑)
ぜひ、「ピンと」来た著者のやり方を信じて「徹底的に」学んでください。
その上で、やはり「添削」は受けるようにしましょう。
小論文くらい「独りよがり」になっているのが「分からない」試験科目もありません。
自分の文章がきちんと読者に伝わるようになっているかを知る方法は「添削」以外にないのです。
高校生や浪人生であれば、受け持ちの先生や塾の先生、社会人の昇進昇格試験であれば、直属の上司あたりが「添削者」となるのでしょうが、この人選には充分注意を払ってください。
良くある間違いが、「国語」の先生に頼んで「中途半端に文学的な」小論文になってしまったり、偏ったポリシーを持った上司に頼んで「その上司が読みたい」小論文にさせられてしまうことです。
「ちょと違うな」と思ったら、思い切って別な添削者に見てもらう方がよいでしょう。
そして、ここでのポイントは「合格レベル」になるまで「徹底的に」書き直すことです。
特に「1,基本的な文章力がない」と思っている人は、文章表現のレベルまできちんと修正してもらい「模範解答」を手に入れるようにしましょう。
それが、次のステップで重要な役割を果たすようになります。
※→私の「小論文の書き方」について知りたい方は以下の記事をご覧ください。
これで完璧! 小論文作成法
●ステップ3:完成答案・模範解答を「徹底的に」視写する
過去問に挑戦し、「合格レベル」にまで答案の完成度を上げたら、今度は「視写」をして、完成形を「徹底的に」体に叩き込みましょう。
「視写」とは、「視」て「写」すこと。簡単に言うと「文章の丸写し」です。
「えー、面倒くさい」ですか?
たしかに「かったるい」かもしれませんが、この方法が文章力を上げる一番「確実な」方法なのです。
原稿用紙に完成した答案を、もう一度一字一句違えずに視写しましょう。
こうすることで、「どのように書いたら読者に伝わるか」「書くときにどのような点に気をつければ良いか」を再確認することができます。
そしてその作業中にあなたの文章力は着々とアップするのです。
また、もし本当に時間がないのであれば、問題集の「解答例」の中から「こんな風に書けたらいいな」と思うものをピックアップして、それを「視写」してみるのも有効です。
中には「こりゃひどい。」と思う解答例もあるにはあるのですが(笑)、たいがいの解答例は少なくとも達意の文章(=言いたいことが伝わってくる文章)にはなっているはずです。
基本的な文章力に自信のない人は、自分がお手本にしたいなと思う問題集の「解答例」を視写してみてください。
※→視写の効能についてはこちらの記事をご覧ください。
小論文のツボ56 文章力アップのために「視写」をしよう。
●ステップ4:関連知識を「徹底的に」詰め込む
また、ステップ2・3と並行して、テーマに関する関連知識も「徹底的に」詰め込みましょう。
とはいえ、すべての領域をカバーするのは難しいので、過去問で出題されたテーマに沿って知識を集めてください。
え?「過去問で出題されたテーマはもう出ないのでは?」ですか?
いえいえ、これが調べてみると結構同じようなテーマが出題されているのです。
大学入試の場合などは、教授の研究領域から出題されることが多いため、意外と周期的に同じテーマが出題されています。
また、まったく同じテーマが出題されなくても「隣接領域」から出されることはよくあることです。
だから、過去問に出題されたテーマを中心に、そこから派生する知識を詰め込んでおくことが、時間がない時には一番効率の良い方法になるのです。
具体的な手順は、まず、ネットで「○○(←テーマ、あるいはキーワード)とは」と検索をかけます。(e.g.「自文化中心主義とは」「改正臓器移植法とは」)
すると、その「○○」を定義した基本的な説明のページがヒットしますので、そこから読み始めましょう。
最近は「wiki」や「まとめ」サイトが充実していますので、そのような概略的な説明から読み始めるのもよいでしょう。
そこで大まかなアウトラインをつかんでから徐々に細かい知識を入れるようにしてください。
そして、それらのページを読んでいて疑問に思う事柄や興味を引く単語にぶつかったら、今度はそちらで同じように概略から細部へと知識を詰め込んでいきます。
その際は、なるべく好奇心の赴くまま楽しんでやってください。そしてつねに「自分はどう思うか」を意識しましょう。
情報を詰め込んだだけでは、小論文で使えるようになりません。
つねにその情報に対して自分はどう思うかを感じつつ、楽しんで、かつ「徹底的に」情報を集めましょう。
※→情報をつかみ、それらを使ってものを考える方法に関してはこちらの記事をご覧ください。
小論文のツボ59 情報のインプット・アレンジメント・アウトプットを意識せよ。
●ステップ5:プロット作成の練習を「徹底的に」する
最後のステップとして、本番の直前まで「徹底的に」やって欲しいのは「プロット作成」の練習です。
「プロット」とは、小論文の「あらすじ」「設計図」のこと。
よい小論文を書きたければ、答案を書き出す前に、必ず「プロット」を作らなければなりません。
制限時間の約3分の1を使って、答案をどう書き起こし、どう展開させて、どう着地するかという一連の「流れ」を、メモの形で書き出すのです。
きちんとしたプロットさえ書ければ、答案作成の約7割が終わっていると言って良いでしょう。
そして、本番直前はこの「プロット作成」を集中して練習しましょう。
小論文の答案は1本書き上げるまでにやはりある程度の時間がかかるものです。
しかし、本番直前で答案を書き上げている時間がない、でもなるべく数多くの課題で練習しておきたい。
そんな時はプロット作成の練習だけをしても、本番のよい練習になります。
具体的には本番の制限時間の約3分の1の時間を使ってプロットだけを作成します。ステップ1で「徹底的に」あつめた過去問と類似問題は、すべてここで消化してしまいましょう。
そして作成したプロットは必ずだれかに見てもらい、プロットだけで言いたいことが伝わっているかを確認します。プロットだけで相手に言いたいことが伝っていれば、ほぼ本番の答案も問題なく書き上げることができるでしょう。
この練習をすることで、実際に答案を書かなくても、本番のよい練習ができるのです。
※→プロットの作り方に関する記事はこちらから。
小論文のツボ9 「プロット作成」でやるべき3つのこと
●さあ、クリックだ!(笑)
さあ、いかがだったでしょうか?
もう、お分かりでしょうが、いかに「たった一つの冴えた方法」であっても、小論文は自分で練習し、実際に書いてみなければうまくなりません。
この記事を読み終わったら以下のリンクをクリックして、残された時間をフルに使って小論文を練習しましょう。
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