「判断」は「自分の意見・主張」。つまり、論文の「核」です。
しかし、この「核」は何の支えもなく空中に浮かんでいるわけではありません。
「引用」で書かれた社会的な文脈や、他者の主張が書かれた文章を踏まえて、与えられた「問題提起」にきちんと応える形で書かれなければならないのです。
さらに「判断」は「引用」で書かれた社会的な文脈や、他者の主張に対して、基本的には以下の5つのパターンでしか下すことはできません。(クリックすると画像が拡大します)
例を挙げましょう。
たとえば、以下の様な社会的文脈の引用があったとします。
「グローバル時代に対応するために小学校1年生から英語を正式科目にするべきである。」
それに対して下せる「判断」の基本パターンは以下の5つです。
1,全肯定:まったくその通りである。
他者の意見を100%肯定する判断です。この後に「高学年の理数科目では英語で授業を行うべきだ」などと「補足」を行うことで自分なりの意見にします。
2,全否定:まったくその必要はない。
他者の意見を100%否定する判断です。このあとに「それよりも低学年のうちは国語の授業を充実させるべきだ」といった「対案提示」を行うことで自分の意見にします。
3,部分否定:基本的には賛成だが、時数は少なくて良い。
他者の意見に基本的に同意しつつ、「留保」をつける判断です。
4,部分肯定:基本的には反対だが、選択科目としてなら良い。
他者の意見に基本的に反対しつつ、部分的に認める判断です。
5,パラダイムシフト:英語ではなく、異文化コミュニケーションを教えるべきだ。
引用が乗っている「議論の前提(=グローバル時代に対応するためには英語を教えなければならない)」を疑う判断です。(別名「ちゃぶだい返し」ともいいます)
すべての「判断」はこれら5つのパターンのバリエーションです。
まずはこの5パターンを意識して自分の「判断」を考えてみましょう。
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