なぜ、入試や昇進昇格試験で「小論文」が課されるのでしょう?
じつは、出題者側はあなたの小論文を読むことで、あなたの「4つのコミュニケーション能力」を測ろうとしているのです。
その4つのコミュニケーション能力とは、
1,出題者とのコミュニケーション能力
2,資料とのコミュニケーション能力
3,社会とのコミュニケーション能力
4,自分とのコミュニケーション能力
です。
まず、ツボその3でも書いたとおり、きちんと設問の要求に応えているかどうかで、「1,出題者とのコミュニケーション能力」が評価されます。
どんなに素晴らしい文章を書いても、出題者の要求する構成・内容になっていなければ、その答案は「0点」です。
つぎに、文章や図表など資料が与えられた問題の場合、答案から資料をきちんと読み取る「2,資料とのコミュニケーション能力」を推し量ることができます。
きちんと資料が読み取れているかどうかは、答案を読めば一目瞭然です。
さらに、小論文を読めば、その人が普段からどれくらい社会に対してアンテナを立て、情報を収集しているかもよく見えます。
知識の多寡のみならず、普段どのくらい自分の頭で考えているかも丸見え。
つまり、「3,社会とのコミュニケーション能力」を知ることができるわけです。
そして一番大事なのは、「4,自分とのコミュニケーション能力」です。
どんなに知識を披露しても、どんなに整った文章であっても、それが「自分の言葉」でなければ、読者に伝わるわけがありません。
どれくらい自分の思考と感情に支えられた文章なのか、どれくらい自分とコミュニケートして紡ぎ出した言葉なのかは、読めばすぐにわかります。
だから出題者は、採点がいかに大変であろうとも、小論文を重要な試験科目に位置づけ、毎年出題するのです。
小論文試験は「高度なコミュニケーション能力試験」。そのつもりで答案を書きましょう。
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