これから13回に渡って「論文型小論文のツボ」を集中的に解説していきます。
最初は、そもそも「論文」の「論」とは何か? というお話しです。
すでに、「本当に使える3つの型」のところで出てきましたが、じつは最も基本的な「論」とは、「引用」→「判断」→「根拠」の3ステップの手続きを踏んで表明された「自分の意見」のことです。
言い換えれば、どんなに短くても、この3つのステップを踏んでさえいれば、それは「論」であり、文章であれば「論文」なのです。
例を挙げましょう。
現在、「グローバル人材」を育てようという言説をよく聞く。(引用)
↓
しかし、日本に必要なのは、グローバル「人材」ではなく、グローバル「リーダー」である。(判断)
↓
なぜなら、すでに我々は「人材」としてはグローバルな競争にさらされており、今後はその中でいかにリーダーシップを発揮するかが勝負の分かれ目だからだ。「人材」を育てようという起点からして、すでに「周回遅れ」である。(根拠)
このように、「引用」「判断」「根拠」の3つさえ揃っていれば、それは「論」であり、「論文」なのです。
まずは、相手の言葉や社会で一般的に言われている事実や意見を「引用」します。これは自分の意見を述べる、いわば「前提」です。
つぎに、「引用」をもとに自分の「判断」を下します。ここが「自分が一番言いたいこと」。「主張」といってもよいでしょう。
そして、「意見」のあとには、どうしてそのような判断を下したのか、その「根拠」を挙げましょう。これがないと読者はあなたの意見に納得できません。
●●という意見や事実がある。
この●●に対して、私は××だと思う。
なぜなら△△だからだ
このような手順を踏んで述べられた意見は、どんなに小さくてもあなたの「論」であり、それが文章で書かれれば、「論文」ということができるのです。
「論文型小論文」を書くときは、この3ステップをつねに意識しましょう。
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