最後の作文型小論文のツボとしてぜひ、覚えておいて欲しい言葉があります。
それが、「神は細部に宿りたもう」です。
作文型小論文はある意味「具体性」が命です。
たとえば以下の二つの「学生時代に学んだこと」という就職試験の作文型小論文の一部。どちらの方がより魅力的でしょうか?
(A)
私は学生時代にさまざまな活動を行った。まずテニスサークルに所属し、3年の時は会計を担当した。また実習では班のリーダーとしてメンバーをまとめ、班の代表として発表したこともある。またアルバイトとして家庭教師や飲食店やコンビニの店員、引っ越し会社のヘルプなどもしたことがある。その中で私は人とのつきあい方を学んだ。
(B)
私は学生時代に飲食店でアシスタントマネージャーをしたことがある。その中で私は気持ちよくアルバイトの人たちに働いてもらう方法を学んだ。たとえば、年齢も背景も異なるアルバイトを束ねるためには「全員と敬語で話す」という原則が重要だった。そうすることでアルバイトとの「距離」が一定に保て、スムースに指示が出せるのである。
(A)の方は、「ほう、いろいろやったねぇ」と感心されるかもしれませんが、「このくらいことをやっている人は他にもいるよね」と思われてしまうレベルです。
しかし、(B)の方からは、「即戦力」の雰囲気が漂ってきます。
違いは、「学びの深さ」です。
同じ経験をしても、そこから何をどのくらい学び取るかは、人によって大きく異なります。
いろいろな経験をしているからといって、たくさん学んでいる訳ではない。
そして、「学びの深さ」の違いは、本当に些細な細かい点に表れます。
もしかしたら(A)の人も(B)の人と同じくらい深い学びをしているのかもしれません。しかし、この小論文の書き方ではそれが伝わってきません。
「神は細部に宿りたもう」
作文型小論文はこの言葉を忘れずに、「具体的に」書きましょう。
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