図表も資料文と同じように「主張」をしています。図表付き小論文ではこの図表の主張を読みとり、それを引用することによって答案を成立させていきます。
では図表の主張は、図表のどのような所に現れるのでしょうか。
それは図表の「極端な部分」です。
極端に大きな数値、極端に小さな数値、極端な増加、極端な減少、極端な変化、極端な“無”変化、極端なばらつき、極端な集中、などなど、図表の「極端な部分」に注目することによって、図表の主張を読みとることができます。
たとえば、以下の図表の「極端」な部分はどこでしょう?
図1を見ると、「現在活動している」と答えた日本の学生の割合は、世界各国と比較すると「極端に」低いことが分かります。また「まったくしたことがない」と答えた学生の数も「極端に」多く、このことから日本ではボランティア活動がまだまだ一般的でないことが分かります。
また図2では「困っている人の手助けをしたい」という動機のつぎに、「新しい人と出会いたいから」と「新しく感動できる体験をしたいから」という個人的な動機が「極端に」多いことが読みとれます。
つまり、この二つの図からは、ボランティアがまだ一般的になっていない状況で、参加している学生の多くが個人的な動機に突き動かされてボランティアに参加していることが分かります。
あとはこのように読みとった主張を、後ろの展開に合わせて、必要な分量だけ引用すれば、あとは通常の資料付き小論文と同じように対処することができます。
この例題で言えば、最初に読み取り結果を解説し、その上でなぜこのような状況になったのか原因を考察した上で、これからの日本のボランティア活動はどうあるべきかを論じます。
図表の「極端」な部分に注目し、そこから図表の主張を読み取る。そこさえできれば、あとは通常の小論文と同じやり方で大丈夫です。
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