「分かりやすい文章のための7ヵ条」第3条は、
文と文をつなげる語句を意識的に使う。
です。
主語や目的語と並んで、文と文をつなげる語句も日本語では省略される傾向にありました。
ことに小説など「美しさ」を追求する文章においてはその傾向が顕著で、谷崎潤一郎などは接続詞のことを「無駄な穴填めの言葉」と断じているほどです。
しかし、分かりやすい文章を書こうとするならば、逆に文と文を繋げる言葉は意識的に使いましょう。
例を挙げます。
<悪い例>
生徒一人一人の気持ちを尊重することは大切である。学校でそこまで保障する必要があるのかは疑問だ。学校は子どもを社会に適応させる場である。社会のルールを教える場だ。勉強を教える場だ。この二つが優先されるべきだ。生徒の気持ちばかりを優先させるわけにはいかない。
第1条で、なるべく接続助詞の「が」は使わない、と説明しました。
しかし、そうすると文章は多少「ぶっきらぼう」になります。
そして「ぶっきらぼう」になることを防ぎ、さらに文と文の関係をはっきりさせるために適切に使いこなすべきなのが、接続詞をはじめとする、文と文をつなげる語句なのです。
文と文をつなげる語句を適切に使用すると、文相互の関係が明確になり、読み手に自分の考えが伝わりやすくなります。
<書き直し例>
たしかに生徒一人一人の気持ちを尊重することは大切である。しかし学校でそこまで保障する必要があるのかは疑問だ。なぜなら学校は子どもを社会に適応させる場だからである。まず学校は社会のルールを教える場である。そしてその上で勉強を教える場だ。何よりもこの二つが優先されるべきだ。そのような場で生徒の気持ちばかりを優先させるわけにはいかない。
文と文を適切な言葉で繋ごうとすると、自然と論理的な思考と文章になります。
相手に自分の考えをスムーズに受け取ってもらうために、文と文をつなぐ言葉をつねに意識しましょう。
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