「思考法の原理原則」の4回目。今日は「思考」と「知識」の関係についてです。
最初から身も蓋もないことを書いてしまいますが、ある程度の「知識」がなければ、モノを考えることはできません。
「知識」は「思考」の材料なのです。
たとえば「○○について書け」と言われたときに、その「○○」について知っていなければ、何も考えることはできませんし、もちろん文章を書くこともできません。
また、知識量の差は、思考の奥行きの差にも直結します。
ツボ22で挙げた例をもう一度引用します。
(判断)
「村上春樹はノーベル文学賞にふさわしい」(根拠A)
「なぜなら、私も読んで感動したし、周りの友達もたくさん読んでいたからだ」(根拠B)
「なぜなら、世界40カ国で翻訳され、日本文学に特に興味のない人にも読まれているからだ」
前回も述べたとおり、あきらかに(根拠B)の方が説得力があるのですが、このような根拠はふだん普通に生活しているだけでは挙げることができません。
この「ネタ」はどこかメディア経由で「仕入れて」きたもののはずです。
「思考」というのは「入力した情報を自分の中で再構成して新しい情報構造を生み出すこと」です。決して0(ゼロ)から何かを生み出す作業ではありません。
素材の良し悪しが料理の味を決定づけるように、いくら考える技術を持っていても素材となる「知識」の質と量が十分バラエティに富んだものでなければ、「思考」は豊かにならないのです。
そして、知識を仕入れる際のポイントは「2割は自分になじみのない情報を仕入れる」ことです。
基本的に8割は自分の興味の赴くままに情報を集めればよいでしょう。しかし、それだけではいつまで経っても自分の世界は広がりません。
意識的に自分になじみのない情報を入れることで、思考は深く豊かになります。
それを意識して、日々「知識」の「仕入れ」を怠らないようにしましょう。
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