「論文と作文ってどう違うんですか?」
当講座に寄せられる質問の中で一番多いのが、この質問かもしれません。
この質問に対しては、私はいつもこう答えています。
「簡単に言うと、自分のことを直接書くのが『作文』、一方、社会のことを論ずるのが『論文』です。ただし、その境界線はあいまいでグラデーションになっています。」
たとえば、「私は老人ホームでボランティアをした」という事実に対して、
「私は、そこで自らの未熟さを思い知らされた。なぜなら・・・」と進めば「作文」になりますし、
「私は、そこで日本の直面する高齢化社会の実態を知った。たとえば・・・」と進めば、「論文」になります。
そして、じつは「作文」と「論文」の境界線はグラデーションになっています。
つまり「作文」の中で自分が社会に関して思ったことを書くこともあれば、「論文」のなかで個人的な経験を社会的な事象の例として挙げることもあります。あくまでも「度合い」の問題なのです。
さらに「作文」「論文」それぞれで、あなたの何が評価されるのかも覚えておきましょう。
基本的に「作文」では、あなたの人柄や資質、熱意といったものが評価されます。
逆に言えば、「作文」的なテーマ(「思いやり」「昇格後の決意を述べよ」「自らの理想とする●●像」)などを課する出題者は、あなたそのものを知りたがっていると言えます。
一方、「論文」では、あなたの知識、文章力、論理的思考力といったものが評価されます。
つまり、「論文」的なテーマ(「少子高齢化について論ぜよ」「今後の当社の可能性」「資料文を読んであなたの意見を述べよ」など)を課す出題者は、あなたがどのような知識や能力を持っている人なのかに興味があると言えるのです。
いずれにせよ、自分に求められているが「作文寄り」の文章なのか、「論文寄り」の文章なのかを、しっかり意識して書きましょう。
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